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「大和?何しているんですか?」
すると、転入生くんの怒鳴り声を聞いて副会長やその他役員たちが俺たちのところにやってきた。
「あ、雅!!聞いてくれ!!こいつが俺のこと騙したんだ!!」
転入生くんがそう言うと、副会長はキッと俺を睨んできた。
「花、大和に何かしたら許しませんよ」
「別になにもしないし」
「お前、花って言うのか!?さっき謝ったから許してやるぞ!!俺は大和っていうんだ!!」
すると、副会長が俺の名前を呼んだのを聞いて転入生くんは俺たちの会話を遮ってそう言った。
「え、うん。よろしく」
俺はちょっと驚いたが、そう言って適当に転入生くんを受け流した。
「花、可愛いな!!本当に女と間違えたぞ!!」
「うん、知ってる。ありがとう」
てか、俺が可愛いのは当たり前。
「おい、飯食ったなら行くぞ」
「あ、うん。じゃ、またね」
充に呼ばれ、俺は充の後を追って食堂
を出た。
てか、充の機嫌が悪いような気がするのは俺の気のせいでしょうか。
「・・・充?なんかあった?」
「何にもねぇよ」
「機嫌悪いくせに。しょうがないからめぐちゃん特別サービスしてあげよう」
俺はそう言って充の背中に飛び付き、充の頬に軽くキスをした。
「っ、めぐ!こういうこと軽々すんな!」
「充だから特別に決まってるでしょ」
充はこういうところには固いから困ったもんだよね。
外国ではキスなんて挨拶のようなもんなのにね
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