「あ、充!!」


周りがザワザワしているが気にせずに充とご飯を食べていると、食堂全体に響くくらい大きな声で誰かが充の名前を呼んだ。


「ちっ・・・」


充はその瞬間、とても嫌そうな顔をしていて、人混みの中から黒いマリモが走ってきた。


「充、食堂来るんなら一緒に来ればよかったのに!!」

「うるさい、俺に話しかけんな」

「そんなに照れるなよ!!」


黒マリモはそう言うと、充の正面に座っている俺を見て、目を丸めて口をポカンと開けた。いわゆるアホ面ね。


「な、な、何で女がここにいるんだ!!?」


やっば、俺ってばやっぱり女に間違われるほど可愛いんじゃん。さすが俺


俺はそんなことを思いながら、ちょっと転入生くんをからかってやろうかとニッコリ微笑んだ。


「どぉしても充のそばにいたくてぇ、無理言ってここに入ったのぉ」


俺が猫撫で声でそう言うと、充はものっすごい気持ち悪いものを見るような目で俺を見ていた。


「充の彼女なのか!?」

「うん、そぉだよぉ」

「大和、こいつは女装してるだけで正真正銘の男だ」


見事に引っ掛かってくれる転入生くんが面白くてニコニコしていると、転入生くんの隣にいた一匹狼くんがそう言った。


「・・・男!?」

「ちぇっ、バレたか。てか、充、俺ってばやっぱり天才じゃね?本物の女に見えるんだし」


一匹狼くんの言葉に驚いた転入生くんは変なものを見る目で俺を見てきた。

俺はそんなこと気にせず、自分が本物の女に見られたことが嬉しくて充にそういっていた。


「お前、嘘つくなんて最低なんだぞ!!」

「あー、ごめんね」


すると、転入生くんがそう言って怒鳴ってきたので、俺は適当に謝った。



 


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