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「めぐみ」
「みーくん、何食べる?俺はうどんにしようかなー」
食堂に着いた俺はそう言ってタッチパネルを操作していた。
みーくんはずっと怪訝そうな顔で俺を見ている。
「・・・めぐみ」
「みーくん食べないの?」
「めぐみ!」
俺がそう言うと、みーくんは何故か怒ったように俺の名前を呼んで、俺の手を引いて食堂を出た。
連れて来させられたのは生徒会室で、みーくんは中に入った瞬間に俺を抱きしめた。
「みー、くん?」
「・・・強がってんな馬鹿」
「っ、みーくん、・・・離してよー」
自分の本心をみーくんに見破られたくなくて、俺はみーくんから離れようともがいた。が、それに比例するかのようにみーくんの力は強くなった。
「オマエ、食堂で俺のこと『みーくん』なんて呼ばねぇだろ。ましてや俺を昼飯になんて誘わねぇだろ」
「、えー、俺そんなに酷くないよー?」
「めぐみ!」
「っ、・・・」
見透かされたくない。というか、今まで見透かされることなんてなかったんだ。『いつも通り』は俺の一番得意なことだった。
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