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庵兄の言葉を聞いた親父は、懐からなにやら一枚の紙を取り出した。
「・・・めぐみ。オマエ、普段こんな格好をしているらしいな」
「っ、な、・・・」
親父が見せてきたのは写真のようで、そこには普段の俺の姿が写っていた。
「そ、それは・・・罰ゲームです。友達としていて、」
「それなら今すぐその髪を取りなさい」
「・・・わかりました、」
親父にそう言われ、俺は自分のふわふわな白に近い金髪の髪に手を伸ばして思いっきり引っ張った。
「めぐ!?」
髪はバサッと取れ、その下からは先程とは違い艶やかな黒髪があった。
「・・・ほら、これはカツラですよ父様。信じてくださいましたか?」
「・・・これからも花家の自覚を持っておくことだな」
父様はそう言うと、悔しそうな顔をして教室から出ていった。
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