あのあと、俺とみーくんは銀先輩や庵兄たちと別れて見回りをしていた。
俺の格好はあのアリスのままなわけで、生徒や保護者たちの視線が痛い。


「花様ぁ!」
「すっごい可愛いですぅ!」
「一緒にお写真撮りませんかぁ?」


廊下を歩いていると俺の親衛隊の子たちが俺の周りに集まってきた。
みーくんの親衛隊の子たちは基本的に遠巻きで見てるだけだからね。


「ふふ、いいよ。みんなも可愛い格好してるんだね」

「めぐみ様!」


文化祭だからか、みんなも好き勝手コスプレをしたりしているわけで、そんなみんなの格好をニヤニヤしながら見ていると、後ろから怒ったような瑞希ちゃんの声が聞こえた。


「・・・あ、瑞希ちゃん。可愛いね?瑞希ちゃんは和服似合うよね」


振り向いて瑞希ちゃんを見ると、着物を着ていて瑞希ちゃんにとてもよく似合っていた。


「話を反らさないでください。こんなところで写真なんか撮ったら迷惑になります。今日は一般の方もいらっしゃるんですよ?」

「あー、ごめんね。じゃあ、後で親衛隊の会議室に行くからそのときに写真撮ろっか」



確かに瑞希ちゃんの言葉の通り、俺たちがここで話し込んでいたせいで一般の人たちが通れなくて困っていた。
俺は苦笑いでそう言って、みんなに別れを告げてみーくんとまた歩き出した。



 


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