3
夕陽たちが見回りに戻り、俺は適当に接客をこなしていた。
「めぐ、お客さん」
一時、客足が絶え、ボーッと窓の外を眺めていると充にそう言われた。
「客?」
不思議に思いながらも充に言われた席に行くと、そこには俺の大好きな銀先輩と庵兄、章太郎さんがいた。
「銀先輩!」
「おう。随分と可愛い格好してんな」
「来てくれたんだ、嬉しい」
俺は銀先輩を見た瞬間、あまりの嬉しさに飛び付いてしまった。銀先輩も最初は抱き止めてくれていたのだが、何故か急に引き離された。
「・・・先輩?」
「めぐ、それ誰につけられた」
俺がキョトンとしていると、銀先輩の顔色は険しくなり、銀先輩は俺の首のところを手で指しながらそう言った。
「え?・・・っ、」
少し考えた俺は、銀先輩が指しているモノが昨日みーくんにつけられた痕なのだと気づいた。
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