「めぐみ」


俺が着替えを終えるとすぐ、文化祭二日目は始まり、しばらくすると夕陽が朝陽とともに教室にやって来た。


「あ、夕陽。見回り中?」

「うん。アリス、似合ってるね」

「でしょ?むしろ、アリスって俺を題材に作られたんじゃないかなって思うんだよね」

「はいはい」


最近、夕陽は俺の扱いに慣れてきたらしくてなんともおもしろくない。


「わあっ、花可愛いねっ!」

「うん、知ってる」


朝陽なんかに言われなくても俺の可愛さは全世界に知れ渡ってるんだよ。テメェは黒神のところにでも行ってやがれ


「・・・あれ、」


そこで俺はあることを思い出した。


「めぐみ?どうしたの?」

「・・・黒神がいない」


そう、昨日のコサージュ事件はみーくんのせいでうやむやになってしまったが、事件の張本人である黒神をあれからまったく見ていないのだ。


「副会長とかと一緒にいるんじゃない?」

「そうだといいけど、」


俺は不吉な予感がして仕方なかった。



 


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