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「めぐみ、大丈夫か!?」
「めぐみ様っ、・・・」
黒神はすぐに驚いて俺から足を退けてくれた。
その瞬間に会長と瑞希ちゃんが心配そうに俺に近寄ってきた。
「・・・大丈夫、俺そんなに柔じゃないし」
「そういう問題じゃねぇだろ!」
「とにかく医務室に行きましょう」
瑞希ちゃんがそう言うと、会長は軽々と俺を抱え上げた。
・・・てか、会長ったら俺のこと名前で呼んじゃって・・・みんなにばれちゃうよー
俺はなぜかそんなことしか考えられず、ボーッとしていた。
「お、俺は悪くないからな!!いきなり出てきためぐみが悪いんだ!!めぐみがそんなもののために必死になるから悪いんだ!!」
「っ・・・、会長、下ろして」
俺はその黒神の言葉を聞き、ボーッとして頭が怖いくらい冴えてきたのがわかった。
「めぐみ?」
会長は心配そうな顔をしていたが、俺のことを床に下ろしてくれた。
「めぐみ!!俺の気持ちがわかってくれたんだな!?そうだろ!!謝ってくれるなら許してやるからな!!」
「何言ってんの。キミ馬鹿なの?ああ、馬鹿だっけ?この前も言ったよな、親衛隊はいい子だって。それを何?俺のためだって?・・・はっ、いい加減にしなよ。俺がいつキミにそんなこと頼んだ?瑞希ちゃんや棗先輩からもらったものを「そんなもの」呼ばわりしてくれちゃって。キミ、何様のつもり?ちやほやされたいんなら副会長と朝陽のところにでも行けば?挙げ句の果てに、俺の女装を馬鹿にしたよな?俺は自分のコレにプライド持ってやってんの。てめぇなんかに馬鹿されたくねぇんだよ」
俺はそれだけ言うと、いつかと同じようにその場を後にした。
のはよかったんだが、黒神に踏まれたところが結構重傷なようで、食堂を出た瞬間についふらついてしまった。
「ったく、無理してんじゃねぇよ馬鹿」
「・・・充、なんでここにいんの」
そんな俺を支えてくれたのは、俺のキレたときの変わりように一切動じなかった唯一の人物、充だった。
「今さらお前のあんなのに驚かねぇよ」
「あー、じゃあこのまま部屋まで連れてって」
「はいはい、」
俺は充におんぶされるかたちで自分の部屋に帰った。
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