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「あ、の・・・」


すると、一人の子がおずおずと口を開いた。


「僕、・・・黒神くんがコサージュ持って出ていくの見たよ、」

「っ・・・どこ、!?」


その子は俺がこんなに焦っている姿に驚いたのか、ビクビクしながら「わからないっ、」と言った。


「俺、探してくるっ・・・」


俺はみんなにそう告げて急いで教室を出ようとした。が、誰かにぶつかった。


「っ、たぁ・・・」

「花?」


顔をあげると、そこには白スーツをかっこよく着こなしている会長がいた。


「どうした?何かあったのか?」

「っ、コサージュ、!」

「・・・コサージュ?」

「・・・・大事な人からもらったの、黒神が持ってたって・・・!」


俺はなぜかそのとき、会長にすがり付いて必死にそう伝えていた。


「、かいちょ、・・・黒神、どこ、!」


そのときの俺はまったく冷静さがなく、だれが見ても驚くほど取り乱していた。



 


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