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「今日は転入生が来るらしいので、誰かに案内してほしいんです」
しばらくすると、ぞろぞろと他の役員たちが入ってきて、全員がそろったのを確認すると副会長がそう言った。
「こんな変な時季に転入生?」
「ええ。なにやら、理事長の親戚らしくて・・・花、行ってきてください」
「え、俺ぇ?めんどくさーい」
嫌な予感はしてたんだよね。副会長ったらずーっと俺のこと見てるんだもん。
俺は副会長からのお願いをあっさり断り、さらに言葉を続けた。
「てゆうか、こういうのは副会長がお似合いだと思うんだけどー?」
「は?」
「だって、俺ってこんなだし会長も案内なんて向いてないでしょ?双子も静も案内には不向きな人材じゃん。副会長が一番いいと思う」
俺がそう言って、最後に極上のスマイルをつけると、副会長はまんざらでもないような顔をしていた。
「は、花がそう言うのでしたら私が行ってあげます。確かに、この仕事は私に一番向いてますしね」
副会長は嬉々としてそう言うと、「では、いってきます」と生徒会室から出ていった。
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