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side.南川 律
「律っち、おはようだっち!」
「テンくんおはよお」
あの次の日から天くんはなぜか毎日俺の教室に遊びに来るようになった。
「何しにきた」
「律っちに会いに来ただけだっちー」
天くんが来るたびに和葉ちゃんは怖い顔をしていて、俺はそのたびにちょっと悲しくなる。
「そういえば、今日はあの村崎くんが来てるらしいよ」
そんな険悪なムードをぶち破ったのは、戸田くんだった。
「むらさき、くん?」
俺は戸田くんが発した聞いたことのない名前に首をかしげた。
その隣でなぜか天くんはニヤニヤ笑っている。
「もしかして律くん知らないの?」
「聞いたことない」
「じゃあ、僕が説明するね。村崎 雨くんっていって一年生なんだけど入学してから学校には来てるらしいんだけど一回も教室に来てないらしいんだ。でも、なぜかテストは受けててつねに満点。謎の生徒って有名なんだよ」
さすが戸田くん。ほんとになんでも知ってるなあ
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