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「律」
「、っ・・・かずは、ちゃ、」
「おいで」
瑞希ちゃんとの会話に一段落ついたのを見たのか、和葉ちゃんに名前を呼ばれ、おれはまるで何かに引かれるように和葉ちゃんに抱きついた。
「馬鹿が、なんでも一人で抱え込むな」
「・・・さっきからみんな馬鹿馬鹿ひどいよお、」
「どうせ俺たちに迷惑かけたくないとか思ってたんだろ」
「・・・だって和葉ちゃんは風紀委員なんだよお?それに、瑞希ちゃんもだし神楽先輩なんか委員長様だもん。西山くんと蓮見くんは生徒会でしょ。おれみたいな一般生徒が迷惑かけられない」
俺がそう言うといたる方向からため息が聞こえた。あ、天くんまでひどい、
「律、よく聞いとけよ」
すると、和葉ちゃんがとてつもなく真剣な目付きで俺にそう言ったので、おれはコクンと頷いた。
「俺は風紀の仕事なんかよりおまえが一番大事で大切だ」
「かずは、ちゃん・・・」
「俺も。どれだけ風紀の仕事が溜まっても律のためなら全部放り出す」
「かぐらせんぱい、」
「僕もりっちゃん先輩のためなら風紀捨てれます」
「みずきちゃ、ん・・・」
「俺もりっちゃんのためやったらあんな生徒会いらんわ」
「にしやまくん、」
「俺も〜。南川くんの笑顔守りたいしね〜」
「はすみ、くん・・・」
和葉ちゃんの後に続くようにみんなが次々におれの目を見てそう言ってくれた。
「だから、迷惑とか考えないで俺たちを頼れ。わかったな?」
「・・・うん、」
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