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「大丈夫だっちか?」
「、うん・・・」
俺は今、天くんに連れられて風紀室の前にたっています。
「じゃあ入るっちよー。失礼するっち!」
天くんはそう言うと、躊躇なく風紀室の扉を開けて中に入った。
「、なんだ水野か。今は忙しいんだ」
「俺っちは付き添いだっちー。用事があるのは律っちだっちー」
天くんは神楽先輩にそう言うと、俺を前に出した。
すると、風紀室の視線が一斉に俺に向いた。
「っ、・・・」
「だめっちよ。ちゃんと話するっち」
俺はそこにいるのが怖くなり逃げ出そうとした。が、天くんがおれの腕を握ってそれを阻止した。
「・・・律、どうしてここに、?」
「か、ぐらせんぱ、」
「りっちゃん先輩?すっごい痩せてしまってるじゃないですか・・・」
「み、ずきちゃ、」
「・・・っ律、大丈夫なのか?」
「ふえっ・・・かずは、ちゃ、」
どうしようかと困っていると、みんなが俺に駆け寄ってきて、和葉ちゃんが俺を力強く抱きしめた。
「かずはちゃっ・・・和葉、ちゃん・・・」
「この馬鹿・・・どれだけもっと俺のこと頼れ」
「んっ・・・ごめ、なさいっ・・・」
俺は久しぶりにみんなに会えて気が緩み、和葉ちゃんに抱きしめられながら泣いた。
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