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「叔父さん!」
「ああ、愛斗。相変わらず可愛いな」
マリモくんに連れられて理事長室に入ると、カッコいい男の人がいた。
「やめろよ!!俺、恋人を連れてきたんだ!!」
マリモくんは男の人から離れると、俺の肩に腕を回してそう言った。
「律!?」
その瞬間、誰かが俺に抱きついてきた。
「律?どうしたの?こんなに痩せちゃって・・・ちゃんとご飯食べてるの?天も心配してたよ?最近元気ないって、」
「・・・と、わ、?」
抱きついてきたのは、何ヵ月ぶりかに見るトワだった。
トワはとても心配そうに俺の顔色を確認し、ギュウッと俺を抱き締めた。
「おい!!おまえ、何者だよ!!律は俺の恋人だぞ!!」
「なに言ってるの?そんなわけないでしょ。勝手なこと言わないでよ」
「あ!おまえ、この前俺から律を奪った奴だな!?なんでここにいるんだよ!?」
マリモくんがトワに向かって喚いている間、トワはマリモくんから俺を守るようにずっと抱きしめていた。
「あ、愛斗っ・・・永久くんにそんなことっ・・・」
さっきの男の人はトワに文句を言っているマリモくんをオドオドしながら押さえつけようとしていた。
・・・トワってば何者?理事長に恐れられるような存在なの?
「トワ、・・・」
「大丈夫だよ。・・・杜生兄さん、その馬鹿捕まえておいてよ」
トワは理事長らしき人にそう言うと、俺を抱き上げたまま理事長室から出た。
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