15
トワは一度俺を下ろすと、さっき俺に渡したのと同じ真っ黒なカードキーを取りだして壁のひび割れみたいなところに挿した。
すると、自動ドアみたいにそこが開き、さらに階段があった。
「よし、行くよ律」
トワはまた俺を抱き上げると、その階段を躊躇いもなく下り始めた。
一番したまで行くと、扉があり、トワがそこの扉を開けると京とパーカーを被った男、ソファーに横になって寝ている男がいた。
「ああ、律君いらっしゃい。こちらにどうぞ」
京は俺に気がつくと、隣に座るように促した。
「・・・トワ、ここは、?」
「僕たちの秘密基地みたいなものだよ。ほら、慈雨と天も挨拶して」
トワがそう言うと、パーカーの男と寝ていた男がこちらにやって来た。
「俺っちは水野 天だよっ。律っちだよねっ!よろしくっ」
「ボクは、村崎 慈雨・・・よろしくね、南川くん」
俺は二人のことをはじめてみたのに、二人は俺のことを知っているみたいだった。
「・・・よろしく、」
俺は少し戸惑いながらも二人にそう言った。
「やっぱりいきなりこんなところに連れて来られたら怖いよねっ。俺っちだったらやだもん!」
「へ、え・・・そんなことない、」
「そうですよね。永久が手荒ですみません」
「え、い、いえ・・・」
むしろ、トワには助けてもらってるわけだし・・・しかも、二回も。
「そうだね。律ならいいかな。」
トワはそう言うと、おれの隣に腰をおろした。
「僕たち四人は裏会っていう組織なんだ。」
トワは深く息を吐くと、ゆっくりと口を開きそう言った。
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