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「わ!おまえなんだよ!?離せよ!!」
どうしたらいいかわからず、その場に座り込んでいると、マリモくんのそんな声が聞こえ、俺は顔を上げた。
「助けにきたよ、律」
「・・・と、わ、?」
すると教室の入り口には暴れるマリモくんをものともせずに捕まえているトワがいつもと変わらぬ微笑みで立っていた。
「、トワ、なんで・・・」
「言ったでしょ?律が助けを求めたらいつでも駆けつけてあげるって」
トワはそう言うと、マリモくんを一匹狼くんに投げ渡して座っている俺をいとも簡単に抱き上げた。
「さ、おいで。」
「へ、トワ?」
トワは俺を抱き上げるとすぐに教室の出口に向かった。
「なんだよおまえ!!律をどこに連れていくつもりだ!!あ、わかったぞ!!和葉に命令されたんだろ!!おまえも律の敵だな!!おまえも和葉も叔父さんに頼んで追い出してやる!!」
「・・・ふっ、そんなことできるわけないでしょ、あんな馬鹿に」
トワは喚いているマリモくんを見下すように笑ってそう言うと、教室を出た。
「トワ、どこ行くの?」
「大丈夫、怖くないよ」
・・・えーと、おれの質問の答えになってない気がするんだけどお、
そう思いながらもトワに抱かれていると、南階段の一階の行き止まりになっている壁だった。
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