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二人はものすごい速さで書類を片付けていて、三十分ほど経った時点でもう半分以上が片付いていた。
・・・紅茶でも淹れようかな、
二人に任せっきりでなにもできない俺は、ちょうど見つけた給湯室らしき場所で紅茶を淹れることにした。
「・・・はあ、終わった、」
「意外にも早く終わりましたね。」
二人のいる場所に戻るともう終わったのか、トワはうーん、と伸びをしてして、京も疲れたのか眼鏡を外していた。
「二人とも、お疲れさまあ」
「ありがとうございます、律くん」
「ありがとう、律」
俺は二人のところに紅茶を持っていき、そう言った。
「さて・・・とりあえずサボってる奴等の溜まってる仕事は終わらせたけど、」
「またすぐに溜まるでしょうね。」
あ、そっかあ。いま終わらせても会長たちが仕事しないと溜まっちゃうんだ・・・
「律。もし、これからも会長たちが仕事をしなくて会計と書記が辛そうだったらこのカードキーを使って僕に会いにおいで?助けてあげるから」
トワはそう言い、真っ黒なカードキーと一枚の紙を俺に渡すと「二人、ちゃんと起こすんだよ」と言って京と部屋から出ていった。
渡された紙は学校の地図で、南階段の一回のところに丸がついているだけだった。
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