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コンコンッ・・・
そんなトワの一連の動きを見ていると、生徒会室の扉を誰かがノックして開けた。
え、や、やばいんじゃっ・・・!
「すみません、遅くなりました。」
俺は焦って隠れようとしたが、入ってきたのは生徒会の人ではない見たことのない男の人だった。
「ご苦労様、京。」
「いえ、大丈夫ですよ。見張りには天を置いてきましたので」
「助かったよ。慈雨は?」
「彼ならたぶん寝てるんじゃないですかね。・・・それより、こちらの方は?」
ボーッとトワと男の人を見ていると、男の人はいきなり俺の方を見た。
「その子は律だ。助けを求められてね。・・・律、そいつは僕の仲間の毛利 京だよ。」
「み、やこさん?」
「京でいいですよ、律くん。」
京は副会長みたいななにかを含んだ微笑みではなく、とてもきれいに微笑んだ。
「で、私はなにをすればいいのですか?」
「僕が会長の分をするから京は副会長のをお願い。一時間しかないからこの二人の分しか終わらないだろうしね」
「これくらいなら一時間あれば余裕です。」
京はそう言うと副会長の椅子に座り、二人は黙々と書類の山を片付け始めた。
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