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「うわーんっ、和葉ちゃあーんっ」
翌日の朝、俺は部屋まで迎えに来てくれた和葉ちゃんに泣きついていた。
「どうしたんだ?あいつになんかされたのか?」
「もうだめえ・・・いちご牛乳不足だよお、」
昨日、あれからマリモくんになにか言われるのが怖くて部屋から出れなかった俺は、一晩いちご牛乳が飲めなかったのだ。
「はあ・・・行きにコンビニで買ってやるから泣くな。それより、先に飯行くぞ」
「え・・・あ、忘れ物、」
「昨日の夜食ってねぇだろ。さっさと行くぞ」
「やだあっ、」
なんで昨日食べてないこと知ってるの?エスパー?和葉ちゃんったらついにそんな力まで手に入れたの?風紀ってそんなこともできるの?いいなあ、うらやましい
「律!あ、和葉も!今から飯行くのか?俺も行くから一緒に行こうぜ!!」
和葉ちゃんに手を引かれて歩き出そうとすると、ちょうどマリモくんが出てきて、嫌そうな顔をした和葉ちゃんを宥めて三人で朝食を食べることになった。
・・・やだな、マリモくんって見かけによらずはっきりもの言うから苦手。
俺はなるべくマリモくんと距離をおいて、和葉ちゃんに隠れるように歩いた。
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