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そんなこんなで神楽先輩の部屋。



俺は瑞希ちゃんによっていちご牛乳が与えられて大人しく座っている。



そして、西山くんと蓮見くんが神楽先輩に食堂でのことを話しているみたいだ。



「りっちゃん先輩」


「んー?どうしたの、瑞希ちゃん」


「先輩には僕等がついてますからね、」


「ほんとにどうしたのお?変な瑞希ちゃん、」


そう言ってクスクスと笑うと、「先輩は鈍感なままでいてください」と瑞希ちゃんに頭を撫でられた。





「律、こっちおいで」


すると、話が終わったのか神楽先輩が俺を呼んだので俺は一人掛けソファーに座っている神楽先輩のところに向かった。



「わっ、・・・どうしたの神楽先輩?」


神楽先輩は俺を膝の上に座らせると、猫を撫でるかのように俺の髪を撫でていた。



俺、そんなに身長低くないし体重も平均並みだと思うんだけどなあ・・・そんな軽々と抱えられても困るんだけど



「あいつは理事長の甥らしい。」


あれ?おれの話無視?ちょっと寂しいんだけど・・・和葉ちゃんから喋るな的な視線送られてるしいちご牛乳飲んどこう。



「なるほどな、やからりっちゃんの部屋に無理矢理入ってこれたってわけか」


「そうだ。鈴木が理事長に掛け合ったんだが、理事長は相手にしてくれなかったらしい。」


「そういうのって職権乱用じゃないの?最低だねぇ」



へえ、マリモくんって理事長の甥なんだあ。ってことは理事長もマリモなの?おもしろそう・・・



「あいつの素性を探ってみたんだが、そうとう自由に育ったみたいだ。」



「我が儘で傲慢で自分が一番じゃないと許せない気質みたいだからね。俺の大っ嫌いなタイプだ」


はわわっ、和葉ちゃんの顔が恐ろしいことになってるよお。あれ絶対糖分足りてないんだよ、だからイライラしちゃうんだよ



「とにかく、りっちゃん先輩の部屋も変えることは不可能みたいっすし、どうにか対策ねらないとダメっすね、」


「ああ。・・・律、」


「・・・へ?おれ?」


みんながしゃべっているのを傍観していると、いきなり神楽先輩に声をかけられた。



「部屋にいるときはなるべくプライベートルームにいて鍵をしめること。」


「どうしても共同スペースに用があるときは転入生がいないか確認すること。」


「学校ではなるべく俺等のうちのだれかと一緒におること」


「食堂もあいつとは絶対に行かないこと。」


「なにかあったらこのボタンを押すこと。」



「「「「「わかった?」」」」」



「・・・はあい、」


なんかみんな怖いんだけど。あ、そういえばこれなんだろう?



俺は最後に瑞希ちゃんから渡された小さいボタンの付いた箱を見た。



「防犯ブザー。俺達のだれもいなくてなにかあったときに押したらすぐ駆けつけるから」


和葉ちゃんはそう言って、俺から空になったいちご牛乳のパックを取り上げた。



「ほら、部屋まで送るから立って。コンビニでいちご牛乳買ってやるから」


「わあいっ、神楽先輩、瑞季先輩、西山くん、蓮見くん、おやすみい」


俺はみんなに別れを告げて和葉ちゃんと神楽先輩の部屋を出た。



 


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