あのあと、マリモくんが会長を殴ってしまい、食堂内は大混乱だった。



「逃げるぞ律」


「はぁい」


やったー、サンドイッチ全部食べなくて済んだっ


俺は和葉ちゃんに連れられて、マリモくんを置いて食堂をあとにした。



「和葉ちゃん、いちご牛乳」


「昼からの授業、寝なかったら買ってやる」


コンビニの前を通りすぎるとき、いちご牛乳を催促したらそう言われた。



「ぬう、せめて一時間・・・」


「だめだ、二時間。」


「和葉ちゃんのけちぃ、」


俺は廊下で立ち止まり、その場にしゃがみこんで拗ねた。



「こら、こんなとこで座るな」


「いちご牛乳、」


「だめだ」


「うぅ・・・」



和葉ちゃんはどうにか俺を立たせようとするが、俺も渾身の力を込めてしゃがんでいるため立てない。


「何してるんっすか?」


「うわーんっ、瑞希ちゃん聞いてぇっ、和葉ちゃんいちご牛乳買ってくれないのっ、」



俺はその場に現れた、風紀委員の男の子、堀内 瑞希(Horiuchi Mizuki)ちゃんに泣きついた。



「またやってるんすか先輩たち。」


「だってね、まだ今日いっこも飲んでないんだよ、酷いよねぇ、」


「買ってあげればいいじゃないっすか。りっちゃん先輩、僕が買ってあげるっす」


「ほんとぉ?わーい、瑞希ちゃん、大好きぃ」


瑞希ちゃんはコンビニの中に入ると、すぐに出てきて俺にいちご牛乳をくれた。



「ありがとぉ、瑞希ちゃん」


「いえ、いいっすよ」


そんな俺たちの隣では和葉ちゃんがなにやらブツブツ言っていたが、いちご牛乳が手に入った今、関係ない。



 


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