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「浪川から聞いた。いつもクリスマス一人で過ごしてたんだろ」
「っ...、」
狼はぼろぼろと涙を流す俺を優しく抱きしめるとそう言ってぽんぽんと宥めるように背中を叩いてくれた。
「これからクリスマスだけじゃなくて、どんなときもずっとお前の隣にいてやるよ」
「っ、ろうの、ばか、」
「そんだけオマエのこと愛してんだ」
「んッ、う......はァッ、...」
まるでプロポーズな狼の言葉がとても嬉しく、さらに涙を溢すと狼はクスリと1つ笑みをこぼして俺にキスをしていた。
「伊織、ケーキ食えよ」
「ふッん......ンむ、う...ゃ、あンッ...」
「...はっ、甘ェ」
狼はケーキのクリームを指で掬うとそれを俺に舐めさせてからまた深いキスをした。
唇が離れると口の端についたクリームをペロリと舐めとってうげっと舌を出して呟いていた。
「ん、...もう、ケーキ食べるから離してよぉ!」
「ケーキなんざ明日食ったらいいだろ。先にオマエを喰わせろ」
「...狼のへんたぁい!」
「そんなにケーキ食いてェなら食わせてやろうか?」
「...ケーキは明日でいいですぅ」
さっきの感動シーンはどこへやら、狼は俺を抱き上げると寝室へと向かい俺をベッドに下ろして服を脱がせ始めた。
もちろん狼に抵抗できるわけもなく、俺は狼に美味しくいただかれました。
***
「ケーキ、おいしーいっ」
「俺にも一口くれよ」
「狼はお預けぇ」
「ちっ...」
翌日、ケーキは俺が一人で美味しくいただきました。
End.
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