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「ふーじぃ、また同じクラスだよぉ。嬉しいよねぇ?」
「はいはい、嬉しい嬉しい」
「あっ、藤冷たぁい」
あれから数ヵ月がすぎ、俺は2年になり桜治さんたちも3年になった。
俺はすっかり学校生活にも馴染めて、何故か俺にも親衛隊なるものがあるらしい。
桜治さんたちに言うと、「まあ、当然できるだろうとは思っていた」と軽く言われた。
「げぇぇ、なんであんたも一緒なのぉ」
「久しぶりだね。一ノ瀬くん、御井くん」
「うん、久しぶり」
御井と自分たちの教室に行くと、そこには去年お世話になった日向くんがいた。
どうやら日向くんも同じクラスらしい。
「何してんだ、一ノ瀬に御井。さっさとそこ座れ」
そして、やって来た担任はまた今年も充さん。まあ、予想通りだけど帝さんが手を回してくれたんだろう。
俺は未だに日向くんを睨んでいる御井の腕を引いて、自分と御井のためとでもいうかのようにぽっかりと空いている窓際の後ろ2つに座った。
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