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「そういえば、桂太さんは?」
あの後、なんとか落ち着き全員でお茶を飲んだりと寛いでいたところで、俺はここにいるはずの人が1人いないことに気づいた。
「桂太ならどうせどっかでサボってるにゃー」
「でもぉ、学校内にも藤のこと広まってるだろうしぃ、そろそろ来るんじゃなぁい?」
そして、驚くことに御井は桜治さんたちと知り合いだったらしくこの場に何故か普通に馴染んでいる。
「確かに、そろそろ来るころだろうね」
「藤ちゃーん!!!会いたかったでー!!なんでここに来ること教えてくれへんかったんやぁ!」
椿さんのその言葉とともにタイミングよく扉が開き、桂太さんがバタバタと部屋の中に入ってきたかと思うと俺目掛けて抱きついてきた。
後から御井に聞いた話だが、生徒会は自由に鍵を開けられるようになっているらしい。
「うっ...桂太さん、苦しいっ...」
「す、すまん!大丈夫か?...それにしても相変わらず藤ちゃんは可愛ええわぁ!」
桂太さんは一度俺を離してくれたが、何を思ったのかまた抱きついてきた。しかも頬擦りしてくるし...
「桂太。いい加減にしないと怒るよ」
「はいぃ!すんませんでしたァア!!」
そんな俺を救いだしてくれたのは椿さん。
椿さんの声を聞いた瞬間、桂太さんは慌てて俺から離れた。
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