俺は今、教室の前にいます。
充さんは「呼んだら入って来いよ」と言って中に入っていってしまった。


「お前ら黙れ」


充さんが中に入った瞬間、教室内が騒がしくなりたぶんネコといわれる子たちが、かっこいいーなど抱いてーなどと言っている。充さんはそれを一言で静止させた。


「今日は転入生がいる。入れ」


充さんがそう言った瞬間、また教室内は騒がしくなり、俺はしぶしぶ扉を開けて中に入った。


「可愛いじゃん...!」
「てか綺麗系じゃねぇ?」
「えー、普通じゃない?」


俺は歩いて充さんの隣に立つ。すると、俺を品定めするような声が聞こえてきた。
俺はそれらを耳に入れないようにして顔を上げた。


「一ノ瀬藤です。よろしく」


にっこり微笑み、自分の名前を伝えてやった。


 


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