7
side.一ノ瀬 藤
「はい、ここが職員室だよ。えっと...あ、片岡先生。転入生連れて来ました」
日向くんは俺にそう説明すると、職員室の中に向かってそう言った。
すると、中から出てきた人物を見て俺は思わず声をあげてしまった。
「あっ、!」
「...どうしたの?一ノ瀬くん」
そんな俺に気づいたらしい人物は眉を下げて困ったように笑い、口の前で人差し指を立てた。俺はそれを見てこくこくと頷き、日向くんに何でもないよと告げた。
「日向、ここまでありがとな。後は俺がやるからお前は教室戻ってろ」
「わかりました。一ノ瀬くん、また後でね」
日向くんは俺にそう言うと、たぶん教室に戻っていったのだろう。
目の前の人物は日向くんがいなくなると俺を職員室の隣の応接室に通した。
「...もしかして、充さんが担任なの?」
「やっぱりめぐから何も聞いてねぇのか...俺がお前の担任だよ」
そう。この人、片岡 充さんはめぐみさんの親友なのだ。俺が驚いたのも無理はない。
てか、この学校身内色濃くない?大丈夫なの?
「知らねぇ奴より安心だろ?ほら、教室行くぞ」
充さんはめんどくさそうにそう言うと、立ち上がったので俺も後を追うように立ち上がって充さんの後について歩いた。
[ 27/54 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る