「失礼します」


すると理事長室の扉がノックされて、帝さんが声をかけると眼鏡をかけたいかにも真面目そうな人が入ってきた。


「日向くん、来てくれてありがとう。転入生の一ノ瀬 藤くんだ。案内してやってくれ」

「初めまして、一ノ瀬くん。俺は委員長の日向慎太郎。よろしくね」


帝さんがそう言うと、男の子は俺に近づいてきて俺に右手を差し出してきた。


「え、と...一ノ瀬藤です。よろしく」


どうすればいいかわからず戸惑った結果、俺は日向くんの手に自分の右手を重ねた。


「じゃあ、行こうか」

「あ、うん」


日向くんに言われて俺は理事長室を出ようとしたが、出る間際で振り向き帝さんにぺこりと頭を下げた。
帝さんは優しく微笑んでくれて、片手を上げてくれた。



 


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