「藤ちゃん連れて来ましたー」

「ああ、いらっしゃい藤」


柊さんに連れられて理事長室まで向かい、中に入ると一番奥にある椅子に座った東宮 帝さんがいた。
この人がここの理事長でめぐみさんの旦那さんだ。


「じゃ、俺は英知が待ってるし帰るねー」

「柊さん、ありがとうございました」

「お安いご用だよーんっ」


柊さんはにかっと笑うと、ひらひらと手を振って理事長室を後にした。


「よかったよ、藤がここに来てくれて」

「お世話になります」

「かしこまる必要はない。だいたいのことはめぐみから聞いただろ?」

「あ、はい...」


だいたいのこと、というのはここがホモの巣窟であることだろう。
もともとそういうのに偏見はないからね、


「何かあれば俺のところに来たらいい」


帝さんは話をさらに進めるとそう言って俺には白いカードキーを渡した。

これが寮の部屋のカードキーになっていて、さらにこれがこの学園では財布代わりになっているらしい。
ちなみに俺の金の出所は目の前にいるこの人だ。 ほんと何から何まで申し訳ない...


「...遠慮は無用だからな。ほしいものがあればそれで買えばいい」

「...あ、ありがとうございます」


帝さんはそんな俺の考えがお見通しとでも言うようにそう言った。



 


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