「...学校?」


あれから数ヵ月が経ち、俺はだいぶここに馴染んできた。
そんな頃めぐみさんから学校の話をされたのだ。


「そ、学校。藤もほんとなら高校生だろ?夏休みも明けるしタイミングいいからどうかなって」

「...でも、」

「大丈夫。あいつらも行ってるとこだし
...それに全寮制だからソラもそこまで追って来ないと思うよ」

「うーん...って、全寮制!?」


俺はめぐみさんの言葉につい声を荒げてしまった。
桜治さんたちが通ってる学校が全寮制だと始めて知ったのだ。今は夏休みだが、桜治さんたちはほぼ毎日といっていいほどここに来てくれていた。


「...でも、お金」

「それなら大丈夫。あいつらの学校の理事長って帝だから」

「え?」


帝さんというのはめぐみさんの旦那さんで、とても金持ちらしくここを建てたのも帝さんなのだとか。


「ね?どう?俺としては藤に普通の高校生を味わってもらいたいんだけど」

「...わかりました」


たった数ヵ月だけなのに、めぐみさんも柊さんも蓮さんもまるで俺のことを弟や子供のように可愛がってくれる。



 


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