10
意外にもあっさりと桜治さんは俺を受け入れてくれ、俺はめぐみさんの店であるここで暮らすことになった。
「じゃ、改めて自己紹介するな。俺はFの総長の時任 桜治。通り名はサクラだけど桜治でいいからな」
一段落ついたところで自己紹介タイムが始まり、ます始めに桜治さんがそう言った。
「F?」
「Fは俺らのチーム。一応No.1なんだけど知らない?」
「...俺そういうの疎くて」
「ふはっ、知らないなら気にしなくていいよ」
滅多に外に出ることはなく、外に出てもあいつらの誰かが一緒だったから俺は外界の話に疎い。
桜治さんは気にするな、というようにくしゃくしゃと髪を撫でた。
「僕はFの副総長の香坂 椿だよ。通り名もそのままツバキだから、椿って呼んでね」
次に自己紹介してくれたのが先程話しやすくしてくれた人だ。とても優しい雰囲気を出している。
「オレは佐伯 桃真だにゃ。通り名はモモにゃ」
次の人は髪の毛がピンクでしゃべり方が奇抜だったため、俺は呆気に取られた。
「桃真。藤がビックリしてる」
「なんでにゃー。オレ何か変かにゃ?」
「...ふふっ...癒されます」
「にゃー!笑ったら可愛いにゃー!」
つい笑ってしまうと、佐伯さんは何故か俺に抱きついてきた。
驚いたがすぐに桜治さんが引き離してくれた。
[ 19/54 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る