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「...藤くん、頑張ったね」
何を言われるのかわからない状況が怖く、目を瞑っていると頭に暖かい感触があり、恐る恐る目を開けると柊さんに撫でられていた。
「ひぃ、らぎさっ...」
「もう大丈夫だよ。とりあえず、痣には湿布貼っとくね」
「ありがとっ...ございます、」
柊さんは先程までの間延びしたしゃべり方ではなく、優しく子供に言い聞かせるような話し方でそう言って俺の体の手当てをしてくれた。
「藤。助けてって言えばあいつらは君のこと助けてくれるよ」
柊さんに手当てしてもらっていると、めぐみさんが真剣な表情でそう言った。
「だから、もし藤が助けてほしいならあっちで全部それの理由話しな。んで、話したくなければ裏口から帰っていいよ」
「...っ、」
めぐみさんの言葉に俺は戸惑った。
助けてほしい。あそこから逃げたい。
だが、この人たちに頼っていいのだろうか?ここの人たちは空を恨んでいる様子だし、俺は一応空の弟だ。
「藤くん。ここの人たちはいい人だよ〜?ちゃんと人を見分けれる子たちたわから安心していいよー」
すると手当てが終わったらしく柊さんがまた優しくそう言ってくれた。
きっと、二人ともなんとなく気づいているのだろう。
俺は決心して立ち上がり先程の店の方にめぐみさんたちと戻った。
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