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「じゃ、ちょっと服捲るよ」
「へっ...?うわあっ、!」
めぐみさんは急に俺に近づいてきたかと思うと、俺の着ていたパーカーを剥ぎ取り、Tシャツを捲り上げた。
「ひぃっ...!ゃ、...見ないでっ...」
「...ちっ、」
俺は必死にめぐみさんから体を隠そうとするも、めぐみさんの力は強くてそれは敵わなかった。
「藤、ちょっと待ってて」
「ぇ、?」
めぐみさんは俺の頭を優しく撫でるとそう言って店の方に出て行き、すぐに男の人を連れて戻ってきた。
「藤、こいつは俺の幼馴染みの柊だよ。ひぃ、この子は藤」
「よろしくねー、藤くん」
「あ、...よろしくお願いします、?」
何故柊さんを紹介されたのか理由がわからず、つい疑問系になってしまった。
「で、ひぃ。藤の手当てしてやって」
「手当て〜?」
「そ。藤、ちょっと我慢な」
「ゃっ...めぐみさっ...!」
めぐみさんは柊さんにそう言うと、また俺のTシャツを捲った。
その瞬間、柊さんは驚いたように目を丸めた。
そりゃそうだろう。俺の体には徹平と祐介に付けられた傷や痣と海斗に付けられた痕たくさんあるのだから。
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