「あ、の...」


めぐみさんと呼ばれた人と奥の部屋に入ったのはいいんだが、俺にもわかるくらいこの人は俺を警戒している。


「1つだけ...ソラじゃないよな?」

「...違います」


この人もだ。さっきの桜治さんもだったが、ここの人たちは何故か空を警戒しているようだ。


「ふふ、ごめんね?疑って」


俺が否定するとめぐみさんは先程の真剣な顔が嘘のように綺麗に微笑み、俺の頭を撫でた。


「俺は東宮 めぐみだよ。君は?」

「一之瀬 藤です...って、俺?」

「俺こう見えて男なんだ。気づかないでしょ?」

「...全く」


どうやらこの目の前の綺麗な女の人だと思っていた人は男性らしい。

俺がめぐみさんの言葉に素直に頷くと、めぐみさんはとても嬉しそうに微笑んだ。



 


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