「君、SKYのソラじゃないのか?」


見付からなかったことに胸を撫で下ろしていると、さっきの男の子が覗きこんできて俺にそう聞いてきた。


「...え?」

「てっきりソラが変装でもして、SKYの奴等と遊んでんのかとでも思ってた」

「...じゃあ、何で助けたんですか?」

「おもしろそうだったから」


男の人は俺と目線を合わせるように俺の前にしゃがみこむと、楽しそうにそう笑ったかと思うと急に真剣な顔をして言葉を続けた。


「あと、もしかしたらマジで君が困ってるかもって俺の勘にかけてみたんだよ」

「...」


その人の言葉につい俺は目の前の男の人を見つめてしまっていた。


「んで?君、名前は?」

「...藤です」

「藤ね。俺は桜治だよ」

「桜治、さん...」


俺が名前を呼ぶと、桜治さんはくすりと微笑み俺の頭を撫でて、俺の手を取ると立ち上がった。


「桜治さん?」

「ついておいで」

「え、ちょっ...」


俺は桜治さんに引っ張られるままついていった。


 


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