その白さだけが僕を許してくれる
※アニテルが姉に依存。




 美しい黒髪は流れるように櫛の間から抜け、重力に従って落ちる。少しブラウンの瞳は宝石のように輝き、それを引き立たせる様な長い睫毛がゆっくりと動く。僕はその様子を見て思わず手が止まりそうになる。細い項から伸びている黒髪はまた静かに落ちる。

「ねえ輝気、そんなに髪を結うのが好き?」
「うん。姉さんの髪はとってもきれいだし、僕は姉さんが大好きだから。」
「輝気はいつになったら私離れするのかなあ。」
「そんなの絶対に来ないよ。僕はこんなにも姉さんが大好きだからね。」

 僕は姉さんの細い肩に頭を埋めて、後ろから甘えるように抱き着く。姉さんの匂いはとっても落ち着くんだ。同じシャンプーを使っているはずなのに、なんでだろう?同じシャンプーを使っていると言っても僕たちは決して一緒に住んでるわけじゃない。僕が姉さんと同じシャンプーを使って同じトリートメントを使って同じボディソープを使っているだけだ。僕と一緒でなんでもできて美人な姉さんが僕は大好きなんだ。甘えさせてくれるし、それでいて叱ってもくれる。姉さんの全てが大好きなんだけど、中でも好きなのは姉さんの綺麗な黒髪。あまり陽に焼けていない透き通った黒髪。僕はそれを梳かして結うのが好き。姉さんが僕の想像している通りになっていく様はなんだか興奮にも似た感情が湧き出てくるんだ。姉さん、姉さん、姉さん。考えるのは姉さんの事ばかり。

「あ、僕のプレゼントしたネックレスつけてくれてるの?」
「だって綺麗なんだもん。輝気、ありがとね。」
「うん。」

 姉さんの髪飾り、時計、ネックレス、イヤリング、ブローチ、バッグ、僕が買ってあげたものを身に着ける姉さんはこの世で最高に綺麗だよ。お金がどこから出てるのって、まあ勿論度胸のないやつらやバカげた女の子からさ。姉さんは優しいからその事は包み隠してアルバイトしているとかなんとかありもしない事を囁く。姉さんへの罪悪感などいつの日からか失ってしまった。ただ、姉さんの笑顔が見たいだけなんだ。僕がやってる事は正しいしカッコイイ。姉さんは僕を見てまた微笑んだ。



タイトルはthorn様から。



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