∵足


『桐生さぁん桐生さぁん』
「なんだ」
『相手してよお』

甘い声で俺に囁いてくる彼女、ハルは、いつも俺のところにくる
かと思いきや今日のように自分の家に連れ込んでくる
俺はハルの家のリビングでソファに座っている
そんな俺の腕に胸を寄せてくるハル
彼女は俺の事が好きなようだが、俺はまだ折れない
いつもなにもなく1日が終わるのだ
今日もそうだと思っていた

『ねえねえー』
「うるせえ。そんな暇あるんなら酒でも持ってきたらどうだ?」
『もー、分かったよ』

彼女は冷蔵庫の中の缶ビールを2つ持ってくると、俺に1つ渡した

『度々私の事パシらないでくれる?』
「あー悪かったな」
『謝る気ないでしょ?』

もう、と頬を膨らませるハルはさっきよりも可愛い気がした

『暑いよお桐生さぁん』
「知らん」
『脱いでいい?』
「黙って酒飲んでろ」

むーと臍を曲げるハルに若干微笑んだのがバレないように酒を飲んだ

『わっ!』
「!?」
『わあ!?』

ハルが脅かしてきて、びっくりした俺は酒を零してしまった

『あーあ…』
「わ、悪い…」

ハルのTシャツに酒を零してしまった俺は彼女に謝る

『もう、びしょ濡れだよう…』

白いTシャツに酒が零れ、濡れているところをパタパタと乾かそうとする
彼女の濡れたTシャツが透けて下着が見えてしまう
酒が入っているせいか、そんな姿にむらっときた俺はすっかり火がついてしまった



「脱げよ」
『へ?』
「そのままじゃ冷たくて風邪ひいちまうだろうが」
『え、あ、うん』

突然、桐生さんが''脱げ''だなんていうから、すごくびっくりした
そりゃ私は桐生さんのこと大好きだし、抱かれたいと思って頑張って誘ってきたけど
全然靡かなかった桐生さんがいきなり''脱げ''だなんていうから
びっくりして、それに、なんだかものすごく恥ずかしくなったから、顔を逸らしながら服を脱いだ

「おいおい、誰がここで脱いでいいなんて言った?そんなに抱かれてえのか?」
『えっ』

顔を上げると意地悪そうな桐生さんの顔があって、その色気のある表情に心の節が溶かされていく様だった

「そうか、そんなに抱いて欲しいか。なら抱いてやるよ」
『え!?』

いきなりスイッチのはいった桐生さんは私の表情を見てにやりと笑うと私を押し倒した

『ひゃあ!?ちょ、ちょっと、桐生さん?』
「どうした?こうされたかったんじゃなかったのか?」
『それは…』

桐生さんの問いに唸る
するといきなり唇を塞がれて、うまく呼吸が出来なくなる

『っはぁ…桐生さ…んっ…!』
「んっ…ふ…なんだ?」

桐生さんの唇には彼の唾液と私のそれが混ざった透明なものがのっていて、てらてらと濡れて光っている
その唇の角をあげていやらしい笑みを浮かべる桐生さんにどくん、と胸が鳴る
そんな彼の表情を堪能する暇もなく次の口付けが落ちてくる
桐生さんの舌が慣れたように私の舌と絡み合う
その度に私と桐生さんの繋ぎ目から声が漏れる

『ふ、んんっ…!…っあ…』
「どうした?余裕なくなってるぞ?」
『きりゅ、さんの…せいだよ…っ』

桐生さんの口付けは一層激しくなり、私は肩で呼吸をする

『き、桐生さん…!』

桐生さんは私の服を手際よく脱がせて、あっという間に私の羽織るものは無くなった
桐生さんは私のそんな姿を上から見る
その蔑んだような視線にゾクゾクと身体が反応する

「なんだ?感じてんのか?」
『っ!そ、そんな…』

図星をつかれて思わず視線を宙に泳がせた

『へ…』

桐生さんは私をフローリングの下に置いたままソファに座った

『き、桐生さん…?』

まさかここまでやっておいて、こんな所で終わってしまうのだろうか
そう思い、見つめていると、桐生さんは私の方を見て言った

「なに物欲しそうな目で見てんだ」

そう鼻で笑われて恥ずかしくなる
桐生さんは愉快そうに笑って靴下を脱いだ
裸足になった桐生さんは脚をあげた

『っ!?…あ、や…っ、桐生さ、んッ…』
「なんて声出してんだ」

桐生さんは裸足の足で私の胸を弄り始めた
彼は皮肉そうに笑って、止めていた足を動かした

『やっ…!こんな…っ、あンっ!』
「なに啼いてんだ?」
『…っ、き、りゅうさんが…足で弄るからぁ…っ!』
「なんだ?感じてんのか?こんなにおっ勃てて」
『ひゃん!』

器用に足の指で私の胸の頂をぴん、と弾く
そのなんともいえない快感に喘ぎが止まらない
肩で息をしながら桐生さんを見つめる
桐生さんは満足そうに笑う
桐生さんは足で私の胸をぐにぐにと押したり揺らしたり、頂を弾いたり潰したり
その度に私は快感に揺さぶられて

「そろそろ下も弄ってほしいか?」
『えっ…!』

桐生さんは笑いながら私の秘部に脚を伸ばした
厭らしい水音をたてながら桐生さんは躊躇なく私の秘部に足の指を入れてかき混ぜる
手の指よりも挿入されない足の指にもどかしさを感じ、喘ぐ
桐生さんの、私を見下す視線がゾクゾクと私の鳥肌を立たせる。私ってMなのかな

『き、りゅ…さん…っ!も、だめ……』
「もうギブアップか?早いな」
『だ、だって……』

視線を下に向けても桐生さんの足の動きは止まらない

「俺もそろそろ足が痛くなってきた所だ。挿れてやるよ」
『ひゃん!』

足を引っ込めたかと思うとあっという間に立派に起きあがった桐生さんのモノが現れ、私の十分に濡れたソコにずぶ、と挿入した
くっ、と声を漏らしながらも少しずつピストンしていく
たまに桐生さんが私の首元に口付けたりするから、その度に私も桐生さんも声を漏らした

「っは、エロいな…腰、動いてるぞ…」
『んあっ…あぁ…』

ピストンは段々と早くなっていき、二人は同時に達した









俺は眠ったままのハルを布団に寝かせ、俺もその横に転がった

『う…きりゅ、さん…』
「すまないな…いきなりこんなことして」

ハルの髪をゆっくりと梳かしながら頭を撫でると、彼女は微笑んだ

『いいの、私が初めにやったことだし、それに、嬉しかったから…』
「フッ…そうか」

彼女の笑顔につられて俺も笑った


彼女に俺の気持ちを伝えて、唖然としているハルに口付けしたのは、その翌朝の話だった


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