∵粉砂糖の夢


「ん・・・」

私が起きた頃には、力也はいなかった
小さなテーブルの上には、乱雑に書かれたメモが見える
私は仕事が休みだけど、力也は琉球街でいつもの見回りをしている
脳内に力也との情事を思い出して、ぼんやりとしていると、チャイムが鳴った
適当に服を着て、小さな玄関を裸足で一歩

「はい」
「俺っス」
「幹也、どうしたの?」

ドアの隙間から伺うと、知っている金髪が見えたので、安心てドアを開く

「いや、兄貴が様子見て来いっていうもんだから、見にきただけです」

私にメールとかすればいいのに、とか思うが、なんだか力也らしいので、微笑むだけで済ます

「そっか、私今日は休みだから、家にいるって伝えといて」
「わかりました」

いつもは力也繋がりで知った養護施設の子たちやそこのおじさんと一緒に遊んだりするのだが
今日はどうも歩く気にならない
サンサンと晴れていて、いい天気だけど、体が重かった
とりあえず朝食とも昼食とも言えないものを食べると、お腹がいっぱいになって安心したのか
それとも、窓から除く太陽の光りが心地よかったのか、そのまま眠りについてしまった

「・・・・」
「・・・ん」
「・・・・あ。起きたか?」

重い瞼を開けると、力也が私を覗き込んでいた
見慣れたアロハシャツに一安心して微笑むと、力也は私の隣に寝転んだ

「いい天気だな」
「どっか行く?」
「今日はそんな気分じゃねえだろ?」
「うん、そうだね」

力也が微笑んでいるのを見ていると、彼の逞しい腕が、私のお腹に降りてきた
そのままぎゅっと抱きしめられて、私もアロハシャツを撫でた
力也の匂いは心地よくて、お日様の匂いがした
彼の心地よい香りに身を任せていると、また瞼が降りてきた

「ん、力也・・・」
「ああ、寝ていいぞ」

優しく頭を撫でてくれる力也に甘えて、その腕の中で眠った
ぎゅっと抱きしめてくれる力也に身を任せて眠るお昼は、とても心地いいものだった


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