∵優しくされたい獣


龍が如く0のはなし














休日に家に閉じこもりきりで、いつもなら気にしなかった
いつも通り家の中でダラダラしようかな、なんて思ういつもの休日に、今日は出かけてみようかななんて考えた
家を出たのはよかったが、さてどこに行こう
映画でも見ようかな・・・・
劇場前まで足を運ぶと、たこ焼きの匂いが鼻を霞めた
(たこ焼きでも食べようかな・・・)
たしかあそこにたこ焼き屋があったな、なんて思いながら天下一通りの方へ歩いた

「なんで・・・」

目の前に広がったのは、いつものたこ焼き屋ではありえないくらいの行列だった
諦めようにも、お腹はたこ焼きを受け入れる準備をしていたので、随分とショックが大きかった
今日は、関西の友達から貰ったたこ焼き器で、たこ焼きパーティーかな
一人でたこ焼きパーティーなんて、呆れたものだが、どうしてもたこ焼きが食べたい。意地になっていた
くる、と回ってスーパーに行こうと思うと、頭から身長の高い人にぶつかってしまった

「ぶっ・・・あ、すいません!」
「いや、大丈夫か?」

大きな手を見て、少し汚れた黒っぽいスーツ、怖い顔、胸元のバッジ、と順々に視界に入った
手を差し伸べた彼は、固まっている私を見て、身体を掴んで持ち上げた

「っえ!わ・・・」
「・・・わりい、み、見えそうだったもんでな・・・」

見えそう?
「あ」と声を漏らし、今日に限って可愛いミニスカートなんか履いてくるもんじゃなかった、と申し訳ない気持ちになる
相手がヤのつく職業の方だったので、頭を深く下げる
気にするな、という彼は、その業界の中でもいい人なのだろうか

「・・・たこ焼き、食えそうにないな」
「あ、そうですね。こんなに並んでるから、私、家でたこ焼き作ろうと思って」
「作れるのか」
「はい。関西の友達がたこ焼き器をくれて、今材料を買おうと思って、それで・・・すいませんでした・・・」

行き着く先は謝罪だった
謝れば、もういいだろ、そんなに謝るな。と言う彼
25歳くらいかな?険しい顔をした彼に、同い年くらいだろうという印象を抱いた

「俺もたこ焼き食いたかったんだ」
「残念ですね」
「ああ・・・」

眉を下げてしょんぼりとする彼を見て、思わずクス、と笑う
可愛いなあ、なんて思ったのは彼には内緒

「・・・食べますか?たこ焼き」
「え?」
「一人でたこ焼きパーティーもつまらないですし、もしよければですけど・・・」

唖然とした表情の彼を見て、段々と自分が嫌になってくる

「あ、いや、別にちょっとした冗談ですよ!時間ないですよね!」
「・・・いや、たこ焼きパーティーなんてしたことなかったからな」
「え・・・」
「邪魔させてもらうぜ」

まさか初対面の、しかもやくざの人を家に入れて、しまいにはたこ焼きパーティーをするなんて、人生何が起こるかわからない
スーパーに行く途中も、他愛のない会話を続けていた
彼の「あんた、名前は何て言うんだ」から、話は盛り上がった
借金取りをしているらしい彼は、最初怖いと思ったが、ごくたまに穏やかな笑顔を見せるので、優しい人だと思った
しかも彼はあまり女性経験もないらしく、たまに遊びですることもあるらしい
そのうえ私と同い年だと思っていた彼は、私より年下だった
25くらいだと思った、と冗談交じりでいうと、彼は少し落ち込んでしまった。可愛い所もあるのだ。






「ここで、ひっくり返す!」
「おお、店員みてーだ」

すげー、と感動する彼、桐生くんを横目に、威張る
俺もやる、なんて意地になる桐生くんはとっても不器用で、たこ焼きをぐちゃぐちゃにしやがった

「へたくそ〜」
「うるせえな、初めてなんだよ」

後は私に頬り投げて、大量に買ってきたビールの缶を開けて、飲んでいた
彼の喉には、すでに何本も入っており、たこ焼きができる頃には私も出来上がっていた
水のように飲む桐生くんに、なんだか先を越されたような気がして、頑張ってお酒を飲んだ
とろけるようなたこ焼きは、桐生くんにも絶賛され、完食。その間も、私と桐生くんは話をつづけた
ただ、桐生くんはチラ、と私を見ては逸らし、見ては逸らしの時に、私があんな質問をするからいけなかった

「桐生くんって、女の子の身体に興味とかある?」
「は」

お酒も入っている事もあり、私は桐生くんに質問し続けた

「あんまり経験ないんでしょ?その割には桐生くん、大人っぽいし」
「興味ないことはない」
「何それー、興味あるんじゃん!」

ほらほらー、と胸を寄せると「あんま煽んなよ」と目を逸らされる
やりすぎたかな、なんて思いながら、桐生くんに近づて、寄りかかった

「なんでだろ。桐生くんって、甘えたくなるね」
「おい・・・」

桐生くんはお酒に強いみたいで、私を見て呆れる
でも桐生くんの逞しい腕は、私が絡みついてしまって、離さない

「・・・あたってるぞ」
「やー」
「・・・酔ってるだろ、帰るぞ」
「やー!」

今思えば、それが最後の忠告のようなものだったのだろう
桐生くんが少し強引に離れる。それを見て、再び座った桐生くんの脚の間に座った
彼の胸に寄りかかると、頭上から嫌なくらい視線が浴びせられた
私は桐生くんのゴツゴツした男らしい手を掴んで、自分の胸にあてた

「気になる?触っていいよ」
「え・・・」
「胸触ったことくらいあるでしょ?遊んでた時みたいに、やってごらん」

彼は戸惑ったようだったが、柔々と揉み始めた
遠慮がちなクセに、私の肩を掴む手は、逃がすまいと言わんばかりに力が籠っていた
もどかしい刺激に桐生くんを見上げると、ふいっと逸らしてから、私を見つめた
見つめている最中に、彼が思い切り揉んだので、思わず声が漏れ出る
顔を伏せて、段々と刺激が強くなってきた手に任せ、私の肩を掴んでいる桐生くんの手を掴んだ

「こっちの手も使って?」
「・・っ、ああ」

桐生くんはテクニシャンだった
優しくしたり、強く掴むようにしたり、まるで感触を確かめるかのように胸を弄った
荒い息が耳にかかって来るようになった時、耳元で「足りねえだろ?」なんて事を呟き、私の服を捲った
そのまま下着も上にずらし、桐生くんは私の耳朶を齧った

「は、う・・・」
「固くなってんじゃねえか」

人差し指と親指で厭らしくこりこりと頂を捻る
そうしていると思うと、片方は指でそれを押し潰したりしていた
まるで遊ばれてるみたい。そう思ったが、誘ったのは私だった
厭らしい手つきに翻弄されていると、ぐっ、と身体を伸ばし、桐生くんの舌が私の乳首を包んだ

「っひゃ、きりゅ、く・・・んんっ」

ちゅ、と吸ったり、舌で乳首を転がすように舐めたりする桐生くんのシャツの袖を掴む
たまに舌先でつつくようにするのが、また私の体温を上昇させる
っはあ、と口を離した桐生くんは「気持ちよかったか?」と聞く
意地悪だ。私は桐生くんの問いにこくこくと頷くと、桐生くんはフッと笑った
桐生くんが反対側も同じようにしている時に、片手が厭らしく身体のラインをなぞり、スカートを捲った
太ももを撫でてから私の湿っている所を擦った
同時に胸も刺激されるものだから、たまったもんじゃない

「・・・濡れてる。可愛いな、もっと感じろ」
「んぅ、んっ・・・あっ・・・」

下着の隙間から指を入れ、厭らしく濡れている私の膣口を、水音を立てながら弄る
上下に行き来したり、たまに陰核を擦られ、厭らしい声が唇から漏れ出す
乳首を苛めていた桐生くんの舌は、私の耳を苛めていた
厭らしい音で包まれ、次第に膣口を擦るだけでは飽き足らず、腰を揺らす
それに気づいた彼は、私の下着をするすると脱がし、指を入れた

「っあ!きりゅ、く!ふぅ・・・あっ・・・」
「気持ちいいか?可愛いぞ」

片手で胸を弄られ、舌で耳を犯され、指で掻き回される
私の声が大きくなるにつれて、入っている指の本数も増えた

「もう一本、入るかもな」
「ぅ、らぁめ・・・あんっ」

三本のごつごつした男らしい指が、私のナカで暴れる
一本一本が、違う動きをして、私の膣を苛める

「ああん、あん、あ!」

まるで私に言わせようとしているみたいだった
もう身体は受け入れる準備万端で、腰にあたっている桐生くんのも、厭らしいほど大きくなっていた
私は彼のシャツを握って唾を飲んだ

「きりゅ、く!あんっ、挿れて・・・」
「ああ、そんなに物欲しそうな顔するな。今挿れてやるよ・・・」

桐生くんは、私を寝かせ、上に圧し掛かって、脚を担いだ
ベルトも外し、腰を上げた私に向かって、目を見張るような大きさのソレを挿れた
声にならない悲鳴のようなものが口から出て、眉間に皺を寄せる桐生くんと初めてキスをした
ずぶずぶと少しづつ入ってくるソレを、きゅんきゅん締め付ける
予想以上の質量に、あれだけ焦らした意味があったなあ、と頭の隅で思ったが、次のピストンで頭が真っ白になった
奥を突かれ、そのまま味わうようにゆっくりと腰を引き、一気に腰を打ち付ける
その容赦ないピストンに、あられもない声を出した

「あんっ、あ、んっ、あっ!」
「・・・っ」

妖美に笑う桐生くんに見惚れ、自分からキスをする
舌を絡め合う甘さと、奥を突く痺れるような快感で、何も考えられなくなる
桐生くんがスピードを上げて、私ももう少しで達しそうだった

「はあ、あ、あっ、あ・・・!」
「・・・っ、ハル、イくぞ・・・!」
「うん、イイよ・・・!お願い・・・!」

桐生くんは苦しそうに眉を顰め、私がイったと同時にナカから勢いよく取り出し、裸のお腹に彼の欲をぶちまけた
出し切った桐生くんは、息を整えながら私のお腹を拭いた

「たこ焼きパーティー・・・また、しようね・・・」
「ああ・・・」


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