∵いつの時代も少女はエロチシズムをただよわせるべきなのである


龍が如く0のチビ大吾さん














大吾くんは、私の事がお気に入りだ。
どこに行くにも、私の家まで来て、手を繋いで連れまわすのだ
大吾くんは私に「いやか?」なんて聞くけど、嫌ではなかった

私より少し身長の低い大吾くんは、私のほかに友達がいなかった
私はお母さんに、友達のいない子には優しくしてあげなさい、と言われたので、優しくしている
そうしていつしか、大吾くんと私は友達になっていた
大吾くんと手を繋いで歩くのは、嫌ではなかったけど、大吾くんから気づかれないように後ろから視線を感じるのは不快だった

「大吾くん」
「なんだ、ハル。ほしいものがあったら、なんでも言え」
「大吾くんの家に行ってみたい」

私がそういうと、大吾くんは、目を丸くして、逸らした

「ごめん、家には行きたくねえ」
「・・・そうなんだ、残念だね」

勿論、大吾くんの家が、怖いお仕事をしている事は知っていた
私は幸福にも、ごく普通の家庭で生まれて、とても普通に育った
大吾くんはいつも周りに大人がいて、守られていたけど、お蔭で親切な友達がいない
私は大吾くんに親切をしたかった
大吾くんに手作りをあげると、大吾くんはとても喜んでいるようにみえた
目を逸らして、口籠って、「サンキュ」と小さく言う大吾くんが、私は大好きだった

「大吾くん?」

大吾くんは、お父さんとお母さんがそうしているように、私の事を見つめた
なんでだろう?大吾くんの瞳に吸い込まれそうになりながら、私もその目を見つめた
声をかけても反応がないし、やっぱりクッキーなんかより、マフラーのほうがよかったのかな
大吾くんは私の腕を掴んで、引き寄せて、私の身体を抱きしめた
大吾くんの匂いがして、大好き!って思って、私も大吾くんを抱きしめた

「・・・桐生くんが言ってたんだけど、大好き同士ならキスしてもいいんだぜ」
「え、大吾くん、恥ずかしいよ・・・」
「してもいい?」

私の話を聞かない大吾くん
大変だ、もう5時を回っている
大吾くんからもらった時計が、5を指しているのを見て、近づいてくる大吾くんを突き放した

「もう帰らなきゃだよ・・・」
「わりい・・・」

大吾くんは目を逸らした
長い睫と、悲しそうに引き締められた唇を見て、しんぞうがきゅんと痛む

「・・・じゃあね、大吾くん」
「・・・!」

大吾くんのほっぺたにちゅっ、とキスをして、手を振った
・・・お母さん、私はいけない子です


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