『一馬!』
「!!」

一馬は私の顔を見てさっきと同じ顔をして背を向けた

『なんか急ぎの用でもあったの?』
「そういうんじゃない」
『じゃあなんであんな・・・』

何故あんな切羽詰った顔で急いでやってきたのか
私はそう問いかけた
すると一馬は一呼吸おいて話した

「いや…名前がいつまでも遅いから…」
『?』
「の、逆上せたと思ったんだよ…!」

一馬は耳を真っ赤にして私に背を向けた
そっか、一馬は私を心配して…
そう思うとド派手な赤いシャツを来ている彼が
とても可愛らしく見えた

『…一馬』
「なっ…なんだ?」

一瞬だけ吃った彼にまた私はクスリ、と笑うと
何笑ってんだ、と言わんばかりの顔をした一馬に

『ありがと、』

そう言って一馬の赤いシャツに飛び込んだ
すると一馬も笑った

「そんなに大事そうに抱きしめなくても、死にはしねえよ」

そういって、私の頭を撫でた
嗚呼、貴方のせいで、会えなくなることを再確認してしまったではありませんか
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