テストも終わってひと段落着いた頃だった
今日はクリスマス
いつもやってくる風間さんを一馬はうずうずしながらまっていた
そんな様子を微笑みながら見ているとそれに気づいた一馬が笑うな、と怒る
赤いシャツにスタジャンの彼はそわそわとしていた
時間が過ぎていくにつれて、楽しみだった表情は曇りはじめていた

『風間さん遅いね・・・』

ほかのみんなに聞こえないように一馬の耳元で話しかけた
一馬は何かを決めたようにして私に言った

「俺、風間さんの所に行ってくる」

私が止める声も聞かずに走り出していった
彰がどうした?と聞いてきたりしたけど、私はおつかいを頼んだだけと言っておいた
一馬が私だけにいったのは心配かけたくないということだろうから







皆が寝静まって、時刻は次の日を迎えていた
私は一馬がいつまでたっても帰ってこないので、ずっとまっていた
連絡をとろうにも連絡手段がない
私は寒い冬の中、玄関のまえで待っていた

『!』

ヒマワリの前に車が止まった
風間さんの車だろう
読み通り、風間さんが車から一馬をつれてきた
一馬の顔色が悪い

「今日は来れずにすまなかった。名前、一馬を頼んだ。」
『・・・はい』

風間さんは私に一馬をあずけ、そのまま行ってしまった


『・・・一馬?』

問いかけると一馬はハッと顔をあげる
一馬はどこか辛そうな顔をしていた
そんな一馬を部屋まで連れて行き、スタジャンを脱がせて布団に入らせようとした
布団に座らせると、一馬は私の手をとった

『一馬?』
「・・・今日は、1人で寝たくない」

一馬の要望に応じ、同じ布団の中に入った
何があったかは聞かない。聞いちゃダメだ。
一馬は私の体にしがみついて、そのまま眠った
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