『ハーマイオニー下がって!!』

ハーマイオニーを自分の後ろに隠して、杖をローブから抜き、後を見た

汚れた爪や足に服、木の棒は大きく、そしてその図体も大きい
本で読んだことのある、こいつは…

『「トロール!?」』

でもなぜここに?という疑問を抱いていると、トロールが棒を振り上げる
一か八か、本で読んだ呪文を試してみる

『ステューピファイ!!』

呪文は成功したのだが、あまり効いてない
だめか!と次の行動を考えていると、トロールの棒で壁の向こうまで飛ばされて、意識が朦朧とした

「○!!」

ハーマイオニーがそう呼んでいるのを耳に聞き入れ、瞼が落ちそうになった時、視界の端に知り合いの顔が見えた
有名人のメガネ少年に赤毛の少年
ハリーとロンだ

「○!!ハーマイオニー!!」

私は二人が来て安心するどころが、とても心配になった
自分がやられている立場になっている事にあまり気付かなかった
するとハーマイオニーもこちらにやってきて、トロールも目標をこちらにした
トロールが水道管までやってしまって水が顔にかかり冷たい

「○、起きて」
『起きて、る』
「そうじゃないわ!立って」
『力、あんまりはいんないや…』

ハーマイオニーに助けられながら起き上がる

そこから記憶が曖昧で、ロンがトロールをやったこととか、先生たちがやってきて減点されたり追加点を貰ったりしたとか
ハーマイオニーから大体を教えてもらった
曖昧な記憶からはっきりしたのは保健室だった
私の怪我なんてどうってことないのになあ…







あれから数日が経ち、私の気分も随分よくなってきた
トロールと戦って自分の弱さに気付いた私は皆を守れるように、呪文の練習をしたりしていた

だがやはり気になるのはあの三つの頭の犬だ
私はそれからずっと図書館に篭りっきりだった

ある日、いつもどおりに図書館へ行こうとすると、曲がり角で誰かとぶつかった
バサバサと自分の持っていた本が落ちる

『ご、ごめんなさい!』

顔を上げると、相手はマルフォイだった

『怪我はない?マルフォイ』
「君のタックルくらいで怪我をするほどヤワじゃないんでね」

そういいながらもマルフォイは私の本を拾ってくれた

「そういえば次の授業は…」
『あれ、次に授業なんてあったっけ』
「お前大丈夫か?」

マルフォイに心配された
最近図書館で調べることしか考えてなくて頭の時計が狂っていたのかもしれない

『ごめんなさい。私ったら…どうかしてたわ』
「それよりも、もう授業が始まるんだが」
『ええっ!?それも知らなかった!!』
「おかげで僕も遅れそうだ」

私とマルフォイは二人同時に走り出した
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