大広間でうとうとしているとハーマイオニーに心配された

「だから対外に、と言ったのに…」
『私が眠いのは毎日だもん…』

ハーマイオニーに額を軽く叩かれた

『悪かったよう叩かなくてもいいじゃん…』

ハーマイオニーの攻撃は痛かったけどこういうのは初めてだから感動した
私は見知らぬ家で一人で過ごし、昼はトムの仲間たちと会話くらいしかしてなかった
特にルシウスたちは私の名前に様をつけていたり、目上の人のように話しかけてくる
ルシウスたちのほうが断然年上なのに……そういうのばかりで、友達らしいことはしたことが無い


「ウサギの目、ハープの音色、この水をラム酒に変えよ…」

シェーマスがゴブレットに向かって杖を振り回していた
私はそれを横目で見ながら眠い目を擦って羽ペンを動かしていた


ボンッ


皆の視線がシェーマスに注がれた。もちろん私もだ。
そこには真っ黒に焦げているシェーマスがいた。さっきの呪文に失敗したのだろう

やれやれ、とシェーマスを見ていると、空から物が降ってきた
梟たちが物を次々に生徒の手元へ落としていく

ロンの手元だったはずの新聞紙が私の顔面に落ちた

「ごめん○!」
『だ、大丈夫だよ…』

私がロンに新聞を渡す前に、ハリーがロンに見ていいかと訊ねた
私がハリーに新聞を渡すと、ハリーが新聞を開いた瞬間、気になる単語が聞こえた

「コレ見て、グリンゴッツに強盗が入ったらしい。713番金庫だ」
『713番金庫!?』

私は思わず立ち上がった

「ど、どうしたんだよ。柄にも無く叫んじゃって…」
『ごめんなさい、なんでもないの。忘れて…』

ロンもハリーもハーマイオニーも私を心配そうな目で見ていた
そんな事に気付かないほど私は疑問に思っていた

713番金庫といえば…

そこで私は脳にブレーキをかけた







「さっきの○、本当にびっくりしたわ」
『そうかなあ…?』
「そうだよ!だって○は大きな声なんか出さないだろ?ハーマイオニーと違って」
「悪かったわね」

ロンはハーマイオニーにつっかかる
それを宥めながらハリーと一緒になって階段を登っていると、階段が動き出した
急に動いた階段から衝動が伝わった

「大丈夫?○」
『大丈夫』

転んでしまった私をハリーが起こしてくれる
起こしてくれたハリーにありがとうといいながら階段を登る


目の前にある扉を開くと、そこには暗がりが広がっていた
混乱する私を外にハーマイオニーが「ここは立ち入り禁止だ」ということを教えてくれた
4人同時に後を振り向き、戻ろうとすると
にゃあ、という聞き覚えのある泣き声がした


「フィルチの猫だ!!」


私達はやばい!としか頭では思ってなくて、そのまま奥に走り出した
一番奥にある扉について開けようとするがなかなか開かない

「閉まってる!!」
「どいて!アロホモラ!」

ハーマイオニーの声と同時に扉が開く
開いた部屋の中に4人が入り、外の様子を伺う


『行ったよ…』
「でもなんで鍵が閉まってたんだろう?」
「これがいたからだ……」


ロンが訊ねると、ハリーは目を疑うようにして言った
ハリーの視線を伝っていくと、目の前には首が三つある黒い犬
そして足元には扉のようなものが………


『ねえ、あれって……』


私が問いかけようとすると3人は叫んで部屋を出た
気付くと犬は私達に襲い掛かってきていて、4人で必死に扉を閉めた


驚きの出来事からわけがわからないような頭で談話室にたどり着いた
私とハーマイオニーは寝ることにした


「あなたは気付いた?足元の…」
『うん………』


私はしばらく黙り込んだ。守っているものに検討がつく。


「○?」
『な、なんでもない!さ、寝よう?』
「……ええ」


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それをごまかすように眠りについた
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