見上げると、そこには手があった
雪よりも冷たく、思わずぞっとしそうだった
私はその手を取った
「名前は?」
『○・サクラ。あなたは?』
私がそう問うと、彼は黙り込んだ
「お前を見ているとお前の祖母を思い出すよ」
『知り合い?』
何故彼は黙るのだろう。私は彼のことを知りたいのに
でも何故だろう。彼とは前から知り合いのようだ。
「○。お前は何故一人でそこにいた?」
『両親に捨てられたのよ。でもきっと今頃両方とも死んでるわ』
「何故?」
『私にも分からない。でも分かるの』
そして不意に告げられた
「○。私の元へこないか?」
私がわけがわからないようなぽかんとした顔をしていると
「……トム・リドルだ」
彼は自らの名を名乗った
私は頷いた