『あれ…ハセヲお?』
「お、起きたか。ちょっと売れ行き確認するから来いよ」
『うん。いいよー』
けろり、と答える名前。寝起きなのに目がスッキリしている
まあこれはネトゲだしな

『売れ行きどう?』
「あ、名前〜。順調だよぉ〜」
『よかったよかった!』
名前は近くの木箱に腰かけた

「ハセヲにいちゃ〜ん!」
するとどこからか俺の名前を呼ぶ声が聞こえた
『望だ!』
「名前おねえちゃんもこんにちは!
 あえてよかったぁ…あのときのおかね、かえそうとおもって…」
『えらい子だねえ〜』
名前は望の頭をなでる
少し望と話すと、望は俺のイベントを達成できるように「変な紅茶」を買った
「おめでとう ハセヲにいちゃん」
「よかったね!ハセヲ」
望が「変な紅茶」を買ってくれたおかげで、ようやく終わる

『ようやく…って顔してるね。じゃあ@HOME行こっか!』
「おう」
俺は名前と一緒に@HOMEに戻った

「おいらグランディ!お前ハセヲ」
『!?…なっ!?』
おきまりなのか、このNPCはまたそう言った
「フン、お前のことは鼻毛ほどなら認めてやるブヒ!」
『ハセヲどうする?鼻毛だって……ぷぷっ』
「笑うな」
おさえろ…おさえるんだ…たかがNPCの言うこと…!
そう…これはただのイベント…イベント……
「お手伝いのお前にはこれがふさわしいブヒ」
俺はグランディの謎の一撃を食らった
「このブタ!なにしやがる!」
『あ、それ知ってる!八百由旬ノ札でしょ!』
「さすがストーカーブヒ」
『もう!ストーカーじゃないよう!監視係!』
「同じことブヒ」
本当にこいつは誰にでもこうなのか…
『まあまあハセヲ、これで練成工房とかも使えるようになったんだし!』
「…どうせお前には必要ないだろ」
『え…なんでバレた?』
そりゃ、チートだからだろ
「そうだハセヲ、蒸気バイクに乗れるようになったんじゃないかな?」
『何ソレ!かっこよさそう!』
と、期待をして乗ってみるが…

『ハセヲ…それ降りて…』
「思った以上じゃないな」
期待ががくんとさがってテンションが低くなった俺たち
『ハセヲ疲れたでしょ。ログアウトしてもいいよー僕はマク・アヌにいるから』
名前はそういって消えた

名前の言うとおり、ログアウトしますか……
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