『ここがカナードかあ〜ずいぶんとかわいらしいデザ……』
「おいなんだよ止まるなよ…」
俺は前を歩いていた名前の頭にぶつかった
一瞬、いい香がしたような…
ってそうじゃねえ!
『は、はせ、ハセハセヴォッ!』
「おい…俺はハセヲだよハセヴォじゃねーよ」
軽くツッコミを入れて名前の目線の先を見る
「おいら、グランディ!お前、ハセヲ!」
『シャベッタアアアアアアアアアアア!!!』
「お前、新しいギルドマスターブヒ?」
名前は固まったまま動かない
目の前のブタは喋り続ける

NPCか?

「おいら、グランディ族のデス★ランディ!この@HOMEの管理人!」
ふと、名前を見るとなぜかじだんだを踏んでいる
「でもおいら、お前認めないブヒ!」
「…………は?」
「ギルド運営には、直感と才覚が必要ブヒ!
 お前にそれが備わっているがそうか、試してやるブヒ!」
グランディとやらは上から目線に話す
「これから二つの課題をお前に出すブヒ!二つともクリアしたら
 おいらはお前をギルドマスターと認めてやらないこともないブヒ!」

「気にいらねぇ…この生意気で変な生き物、絶対、気にいらねぇ!」
俺は小声で呟いた
な、お前もそう思うだろ?と続けて名前にたずねようとすると…

『か、かかかかか!!!』
「か?」
俺は首を傾げる
『か!かわいい!!!!』
名前は目の前の変な生き物に抱きついた
「な…!?名前!?」
俺はいきなりの行動に驚いた
『かわいい!なんなのこの生き物!!可愛すぎる!!チムチム以来の感動!!』
名前は抱きつきながら泣いてしまっている
そんなにかわいいか?こいつ…
「あはは、グランディのイベント起きたね。それに名前も一緒…か」
シラバスは名前を見て少し目を見開いた
「NPCのおつかいをする趣味は俺にはねぇ」
『ハセヲ!NPCじゃなくてデス★ランディだよ!』
「離すブヒ!」
名前はこのNPCが気に入ったようだ
『僕はここにいるからハセヲちゃっちゃと行ってくるブヒ!』
「お前までその語尾マネすんな!!」
俺はしょうがなく@HOMEを出た



名前side

ハセヲが居なくなって、僕はデス★ランディと楽しくお喋りをしていた
『ねえデス★ランディ!ほっぺふにふにしていい?』
「触るなブヒ!」
『ひゃ〜…やわらか〜!!』
「………」
デス★ランディったら小さいハセヲみたいでかわいい♪
グランディって皆こんななのかなあ
NPCって会った事ないからわかんないや
しばらくデス★ランディと会話をしているとなんだか眠くなってきた
『う〜…デス★ランディ…ちょっと寝るからハセヲ帰ってきたら起こしてね…』
「なんでここで寝るブヒ!」
『おやすみ〜』
「おいらの話を聞くブヒ!」
デス★ランディの言葉も聞かずに僕は眠りについた
デス★ランディは僕の肩をゆする
「…起きるブヒ…」
『zzz』
「ここで寝られるとこっちが困るブヒ!」
『zzz』
「………」
デス★ランディは僕の顔に近づき、無言で僕の頬を触った
デス★ランディは触ったあとに何か呟いた
「…仕方ないから眠らせてやるブヒ……」





ハセヲside

「おい、届けにきたぞ…ってあれ?」
「遅いブヒね……まったくお前はブタのようにのろいブヒ」
いやお前はブタだろうが
「お前が遅すぎて、名前が寝ちゃったブヒ」
ふと目を逸らすと寝ている名前が目に入る
俺は名前の元に近づいて様子をうかがった
「さっさとこれを売りさばいてくるブヒ」
「俺はもう売り子なんてやんねーよ」
っていうか名前はなんでここで寝てるんだ?俺の監視係じゃなかったのかよ
監視するんだったらちゃんと監視しろっつーの
俺は心の中でそう呟いて名前の頭をぽんぽんと撫でた
しかしよく見ると細かいPCだな…
髪も一本一本ちゃんとしている。名前の髪を掬えば、サラりと落ちた
まつげも細かく、まるでホンモノのように生えている
指は………
って何やってるんだ俺は!!なんでこんな恥ずかしいこと……
こんなに長い時間名前に触れたのは初めてだ
…なんだか暖かい気もしたような………
「…おいらはお前のこと絶対に認めないブヒ…」
「あ?なんかいったか?」
「うるさいブヒ。名前が起きるブヒ」
やっぱりこいつは気にいらねぇ
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