アバターを求めても幸せになんかなれない

それだけは確か。




オバサンの最後の言葉を思い出す
名前の身にはいったい何がおきたのだろう
俺は気になっているが、誰にも聞けない雰囲気だった

名前も落ち着いて、俺はいったんログアウトした
その後も名前の様子が気になって仕方なかった

メールでギルドマスターについてのメールが来ていた
そういえばギルドマスター押し付けられたからな…
カナードの@HOMEに行くか…
俺はマク・アヌを出て、歩き出した

そういえばログインしてから一回も名前を見ていない
今までログインしたら名前が目の前にいたのに
自分で監視者って言ったクセに、数日で終わりかよ…
なんだか足りないような気がしてならなかった


なぜかイライラしながら@HOMEの前まで来た
………ら、これだ
『あ、ハセヲ〜!』
ログアウト前の名前はどこかへ消えたかのように
笑顔の名前が俺に手を振った
「……お前…」
『ん?なあに?』
「…大丈夫、か?なんか俺にはわかんなかったけど…
 なんかあったらすぐ俺に言えよな」
俺が気を使って言うと名前は首をかしげた
『????ハセヲったら、何を心配してるの?』
その顔は冗談ではなく本気で言っているように見えた
いや、本気なのだろうか?
「は?何いってんだ?俺がどんだけ心配したと思ってんだよ」
『なんかよくわかんないけど、心配してくれたんだね!ありがと♪』
この無邪気な笑顔に裏なんて無さそうだ。いや、無い。
「…お前、本当に覚えてないのか?」
『え、僕…何かした?』
「何もしてないけど…」
『あ、そういえばカナード行くんでしょ?』
はやく、はやく!と急かす名前
俺は疑問に思いつつもカナードへの扉を開けた
prev next
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -