ハセヲと僕は傭兵地区につく
「確か魔法道具屋にアジアンマンゴー売ってたよな」
『すごいハセヲ!わかるんだ!』
「伊達に冒険してないんでな。俺はなんでお前が知らないのかわかんねーな」
『僕はずっと違うことしてたから』
「違うこと…?」
『…さ、行こっ!』
「あ、ちょ、待てよ!!」
僕は魔法道具屋に走った

「お買い上げ有難うございました〜」
「ほらみろ」
『さっそくアジアンマンゴー攻略だね!』
僕はハセヲに笑顔でそう言う
「………ほ、ほら…次いくぞ」
『え!?ハセヲ、腕!!』
ハセヲが僕の腕を引きながら走った

「よし、これでそろったな」
『さすが"死の恐怖"!早いね〜』
「今それ関係ないだろ?」
『まあまあ!んじゃあシラバスんとこいこー!』
僕がハセヲの腕を引くと、ハセヲも笑ってついてきた
やばい。コレ結構楽しいかもw

僕たちは急いでシラバスの元へ戻る
『シラバス〜!』
「あ、名前にハセヲ!」
「ほらよ」
ハセヲはアジアンマンゴーとカラメルソースをシラバスに渡した
「それにしてもガスパーのやつ…遅いな〜」
シラバスの話を聞いているとガスパーが迷っているらしい
ガスパーを迎えにシラバスは行ってしまった
『"…俺はもう動かねーぞ"ってww』
「な、なんだよ。おかしいかよ」
『しかもハセヲにどんぐりってw似合わないww』
「うるせえ!」
ハセヲは顔を真っ赤にして怒った



「それにしても…なんで俺がこんなこと…」
『まあまあ仕方ないでしょ?ハセヲがあんなこというから…ぷぷぷ』
「笑うな!!」
ハセヲと仲良く(?)会話をしていると店に誰かがやってきた
「…あのぅ…」
「『いらっしゃいませぇぇぇ!!!』」
「うわお前作り笑いヘタクソだな!」
『あんたもだよハセヲ!なんか微妙すぎるよ!
 …ごめんね?驚かせて…ってえ………』
僕とハセヲは腰を屈めて目の前の小さな子に目をやる
小さくて小さくて、オマケに人見知りのようだ
『「………」』
ハセヲと僕は呆然とした

「あのぅ…ぼく、ほしいものがあって…」
『なあに?言ってみて』
「…シロタエギクの花です。あります?」
「えっと…あ、一個だけある」
ハセヲがシロタエギクの花をみつける
「6000GPだな」
「………」
「ん?どうすんだ?買うのか買わねーのか、どっちだ?」
ハセヲは軽く言う
『ちょっとハセヲ!もっと優しく言いなさいよ!…ごめんねー?』
「………」
優しく言っても目の前の子は黙ったままだ
僕とハセヲは顔を見合わせる
『ちょっとハセヲ…さっきのあんたの変な顔がおかしかったんじゃないの?』
「バカいえ。お前が怖すぎるんだよ」
『僕は全然怖くないでしょーが!ホラ見て!見るからに優しそう!』
「"見るからに怪しそう"のまちがえじゃねーの?」
『このやろー……』
ハセヲと僕とでちょっとした言い争いになる

「……おかね…たりない…」

その場が固まった
「足りない…!?それじゃ売れねーよ」
『ちょっとハセヲ…』
「きのうまでおかねあったの…でもない…」
『ん?』
目の前の子が言っていることが僕にはちょっと分からなかった
「んなわけねーだろ」
「わかんないよ!…きのうまで朔のばんだったから…」
『「朔?」』
大体判った気がするのは僕だけ?
「朔はおねえちゃんだよ……このPC、きのうまで朔がつかってた」
「…要するにお前ら、1つのPCを姉弟で交互に使ってるわけか?」
「うん……」
僕とハセヲは顔を見合わせていった
『いいよ。あげる』
「え?」
「まけてやるっていってるんだよ」
僕とハセヲは目の前の子にシロタエギクの花を渡した
「ほんとにいいの!?」
『うん!』
「ねえちゃんによろしくな」
目の前の小さな子は階段を登っていった
「ぼく、望っていうんだ!たりないぶん、きっとかえすからね
 ハセヲにいちゃん!名前おねえちゃん!」
『まあ…!』
望の仕草にキュン死にしてしまいそうな僕
「朔と望で朔望か…」
『可愛かったねえハセヲ!』
「お前ショタコンか…」
『そういうハセヲはツンデレだよね』
ハセヲに言うとハセヲは顔をぷいっと外へ向けた
「俺がいつデレたっていうんだよ!」
『さっき。望に花あげたとき』
「はあ?」
ハセヲの素直じゃない所に微笑んだ
「こんにちは♪」
『「いらっしゃいませぇぇぇぇぇ!!!」』
『って…アトリ!』
振り向くとアトリがさっき望が居たところに立っていた
「二人とも笑顔がさまになってますよw」
『え?本当?』
「バカ!騙されるな!!」
『ハセヲの笑顔はwwねwwww』
「笑うな!!」
アトリがやってきてなんだか穏やかになった空間
そこに聞こえてきたのは女とクーンの声だった
クーンは前に僕を誘ったように女の子2人を連れていた
『"クーン様"…ねえ?』
「ち、違うんだ!!これはこの…」
クーンは焦りながら言う
「じゃあまたなハセヲ!名前!」
クーンは今までで見たことのないくらいのダッシュで駆け抜けていった
『それにシラバスとガスパーもいるじゃん』
「忘れないで欲しいよぉ〜」
『ごめんごめんw』
「そうそう。さっきのクーンさん?」
シラバスは言った
『知り合い?』
「僕らカナードのギルドマスターだったんだ」
「だった?」
「クーンさんの"病気"のせいだよ」
『なるほど』
シラバスたちの会話にアトリも入る
「クーンさんって病気だったんですか?」
『あー…そういう病気だよw』
アトリたちと楽しく会話していると
流れに流されてハセヲはカナードのギルドマスターになったらしい
『…詐欺られたねハセヲw』
「………チッ」
ハセヲが仕方なしに認めているのもハセヲの優しさだと僕は思った
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