しばらく走ると階段を下りるハセヲの姿が見えた
『ハセヲー!』
「…遅いぞ、名前」
『……気にしてくれてたの?』
「ち、違う!!ただおかしいなと思っただけだ!!!」
『へぇ?』
「な、なんだよその目…」
ハセヲってば、僕と目があってからずっと目を逸らしてる
『うふふ…ハセヲってば、かわいい』
「なっ!!」
僕はハセヲの可愛さにそそられてハセヲに抱きつく
「ななななにすんだ!!ばか、離せ!!!」
『えー?なんでー?』
ハセヲもけっこうかわいい所あるんじゃん♪
ハセヲの新しい所一個発見だね!
「ちょっとお二人さん?お取り込み中失礼」
「ぜ、全然取り込んでねえから!!全然オッケーだから!!」
「"G.U."に入ったんだってね?よろしく!」
『「"G.U."?」』
ハセヲと僕は頭上に「?」を浮かべる
「あー…レイヴンっていうのは仮のギルド名で俺らは"G.U."って呼んでる」
「意味は?」
「なんかCC社のプロジェクト名らしいけど?」
『「ふーん…」』
ハセヲと僕はクーンの言った"G.U."について少しだけ考えた

「んなことよりアバターってやつの出し方教えてくれ」
「その隣のお嬢さんに聞けばいいだろ?」
『えー僕ぅ?』
「くそ…また名前かよ…」
クーンは軽い顔で言うがハセヲは悔しそうな顔をしている
『僕のは駄目だよー。自分で作ったやつだし』
「へえ、すごいチートだね。名前」
クーンの今の一言。それはもういっぱい聞いたよ…
するとハセヲが
「出し方!!教えてくれ!!」
肩をガッとつかまれて混乱してしまう
『無理だよー』
「なんでだ!?結構長いつきあいだろうが!!」
『はっきりいってそんなに長くないからね』
必死なハセヲに困る僕
「ほらほら、困ってるでしょ」
「はあ?どこがだよこいつの!」
『クーンありがと…結構ビビってた…』
「ほらね?」
「…すまない」
ハセヲには悪いんだけど結構インパクトあった…
でもそれだけ必死だってことなんだよね…
っていうか今までの会話的に考えるともしかしてハセヲ・・・
『…っていうかさあ、呪文とかだと思ってる?もしかしてだけど』
「…え?そうじゃないのか?」
ハセヲのまさかの回答にクーンと一緒に少しだけ吹き出してしまう
「ないよw」
『そんなのあったら苦労しないって』
「じゃ、じゃあどうやってお前らアレを呼び出してるんだよ!!」
『まあまあ、そのうち分かるって!』
経験をつむことは大事なんだから!
「じゃあ今すぐ行こう!」
『せっかちだなあ〜ゆっくり進まなきゃ駄目だよ?』
「はあ?」
『ほら、クーンだって用があ……』
僕達が振り返ると、もうクーンは居なかった


「なあーどうすればいいんだよ〜」
『………』
@HOMEを出てからまるで今までの位置が逆転したかのようにハセヲが張り付いてくる
「なあなあっ」
犬が遊んで!と言わんばかりに僕の左右を行き来する
『もー…しつこいっ!!』
「あ!待てよ!!」
ついに僕の限界を超えた憤怒は止まらず、早歩きでハセヲを避ける
「俺の監視者じゃなかったのかよー」
『知らないっ』
「怒んなよ〜」
『経験をつめばいいのよ!ほら答えたでしょ!?』
「だってお前、つきあってくれねーじゃん」
『それはモノにも順序ってものが……』
僕はハセヲに一言言おうとしたらある光景を見つけた
ハセヲは立ち止まっている僕に声をかける
「お?行く気になったか?」
『ねえ、あれ…』
「あ、確か……」
「あひゃぁ!!」
この前は僕にぶつかったが、次はハセヲにぶつかった
「…そうそうガスパー」
『ガスパー大丈夫?ちゃんと前みて走りなよ?』
僕は倒れてるガスパーに手を貸す
「………!」
『…?ガスパー?』
立ち上がったガスパーはボーっとこちらを見る
「助けてよう名前〜」
『わわっ』
「おま…何やってるガスパー!!」
「へ?」
ガスパーが僕にいきなり抱きついたと思ったら「助けて」といった
変なやつに絡まれたのかな?とか思ったら次はハセヲ
僕に抱きついているガスパーを僕からひきはなした
「名前は俺と話してたんだよ!名前と話すなら俺が話を聞いてやる」
胸を張るハセヲ
『ハセヲ頼もしいじゃん♪』
「で、どうしたんだ?」
ハセヲがたずねるとガスパーがいつものテンションが
どこかに行ってしまったかのように話す
「今日、シラバスとショップを開こうって言ってたんだ」
『うん』
「でも、いざ開こうってなったら商品の数が足りなかったんだ!
 どうしよどうしよ〜!!」
ガスパーは頭を抱えながら訴える
そんなガスパーが可愛…かわいそうでならない
『じゃあさ、僕達と買い物分担しない?』
「じゃあぼくがお金出すよ!」
「おい…まさかそれ…」
ハセヲは青ざめた顔で言った
『うん。ハセヲもだよ♪』
「………はぁ」
そんなハセヲを無視してガスパーは「頼んだよ〜」と走っていった
『ぶつかんないようにね〜』
僕は手を振りながらガスパーに叫んだ
『…よし、ハセヲ!アジアンマンゴーとカラメルソースだよ!』
「分かった分かった。やるよ…ったく」
『よし、いこっ!ハセヲ!』
「ば、ばか!腕ひっぱるな!!」
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