最近ヒカリちゃんが男子に好かれてるってことにようやく気付いた。
僕ってこんなに鈍かったっけ?こういうのには自信あったのに。
大輔君は分かりやすかったけど。

そう思って苦笑いしているとまだ人もまばらな教室にヒカリちゃんが入って来た。


「おはよう、ヒカリちゃん。」
「タケル君、おはよう。今日は私より早かったんだね。」


そういってヒカリちゃんはランドセルを置いて席に座った。
僕が毎回早く来れないのは出かける前に母さんがいろいろ話しかけてくるからだよ。(別に母さんが悪いわけじゃないんだけど。)


「うん、そういえば大輔君は?」
「まだ来てないみたい…って、なんで私に聞くの?」


だって大輔君はいっつもヒカリちゃんと一緒に来てるから。(多分少しでも長くヒカリちゃんと一緒にいるためにね。)
ヒカリちゃんが答えるには太一さんと公園でサッカーをしているらしい。
それだと遅刻かギリギリかな…太一さんはまず中学校の朝練はどうしたのだろう。そう思っていると僕が思っていたことが分かったようで、今日は朝練は無いらしいと答えてくれた。
朝練が無くても太一さんはサッカーをしてるだなんて、やっぱり太一さんはサッカーが大好きなのだと思った。


「相変わらず…だね。」
「うん、お兄ちゃんったら昔と何も変わらないんだから。」


変わったよ、太一さんは。
それはヒカリちゃんが一番分かってる筈なんだろうけど、きっとそれを認めたくないという点もあるんだろうな…


「あ、もう少しでチャイム鳴っちゃう。」
「これじゃあ大輔君は遅刻かな。」


ヒカリちゃんと目があって、お互い苦笑。


「そういえば久しぶりだね。」
「何が?」

「タケル君と二人だけで話したのって。」


そういえば最近は教室でも必ず大輔君がいたし、他の場面でも仲間の誰かがいた。
だからといって仲間と一緒にいたくないだなんて思ってはいないけど。
だけどこの時間がとても楽しい時間だってこと、今気付いたんだ。


「そうだね…」


チャイムが鳴って、ヒカリちゃんが遅刻決定だね。そう言って大輔君の席を見ながら笑っている。


またこんな日があれば良いと思った。




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